蜂(ハチ)駆除を自分でするか業者に頼むかの判断基準!必要な道具や方法

家屋周辺

花の開花と共に蜜を運び、活発に活動する蜂。新潟では、主に毎年6月から10月頃まで蜂が巣をつくる時期となります。

蜂に一度刺されたことがある方や、子どもが家にいる人は、家の近くや敷地内で、大きな蜂を見ると「刺されるんじゃないか」「巣をつくられているんじゃないか」と不安になりますよね。

実際、蜂に刺されて死亡したのは平成30年で12名、多い年には死者が20名を超える年もあります。蜂に刺されることはアナフィラキシーが出たり、アナフィラキシーショックにより命の危険が伴ったりするのです。

ここでは、蜂駆除のプロが、

●どの蜂が危険か

●蜂の駆除を業者に頼んだ方がいい基準

をお伝えしていきます。

この蜂のココが危険!蜂がもたらす害とは

蜂は種類によって攻撃性や毒の強さ、巣の特徴も変わってきます。

日本では、ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチの3種が多く生息しており、新潟でも刺されたり、巣をつくられたりするのに注意してほしいのはこの蜂たちです。

毒針にも注意!刺される危険性

ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチに刺されると患部が腫れたり、ズキズキした痛みが続きます。ここでは知っておいてほしい特徴をまとめました。

<一度刺すと自分が死んでしまうミツバチ>

性格は基本的には温厚で、攻撃しない限りは襲ってきません。特徴としては毒針にかえしがついており、刺さるとぬけにくく、刺すと針と繋がった産卵管などの内臓がでてミツバチは死んでしまいます。

刺されるとチクっとしますが、毒性は低いです。しかし、刺すときに出るにおいに反応し、仲間が襲ってくるので、アナフィラキシーの危険性は0ではありません。油断しがちな冬季にやや攻撃性が高くなるので冬の駆除も十分注意が必要です。

<攻撃性は低いけど毒が強力なアシナガバチ>

毒性が強く、刺されたときにとにかく痛いのがアシナガバチ。アナフィラキシーショックの可能性も出てきます。

基本的におとなしい性格ですが、巣を刺激すると一斉に攻撃してくるので巣作りを見つけたら早めに駆除しておくことが必要です。

<刺されたら即病院に!命の危険に直結するスズメバチ>

被害が多く、強い毒性を持ち、繰り返し刺すことでアナフィラキシーショックの可能性が上るとても危険な蜂です。

針から散布もできる毒は、目に入ると失明の可能性もあり、呼吸器に入るのも危険。攻撃性も高く、集団で襲ってくるため、個人での駆除も大変危険です。

最悪30分~1時間で死の可能性もあるアナフィラキシーショック

蜂に刺されて、アレルギー症状がでなければ、数日で痒みやチクチクする痛み、腫れなどはおさまります。

しかし、体質にもよりますが、10~20%の人が蜂毒によってアナフィラキシー症状が出ます。症状は、なんらかの皮膚症状、浮腫、蕁麻疹、嘔吐、呼吸困難などで刺されてから15分程度で起こります。

アナフィラキシーの症状が出てからさらに深刻な意識障害や血圧低下によるアナフィラキシーショックが起ると、早い場合は15分程で心停止するケースもあります。

事前に調べたい方は、血液検査でアレルギー反応が出るかどうか調べることができます。心配な場合は病院でIgE抗体が高いかどうか調べてもらいましょう。山間部で仕事をする場合や、リスクのある職種の場合は事前検査を受け、数値が高い場合は携帯型のアドレナリン自己注射製剤を、前もって処方することも可能です。(蜂に刺されたことがある場合は保険対応になることもあるので病院でご確認ください)

体質やエリアによっては救急車が間に合わない場合もあります。極力蜂に刺されないよう、自宅や人の活動範囲で巣作りを許さない対策をすることが自分や家族の命を守ることに繋がります。

巣をつくられる

刺されると命の危険を伴うこともある蜂ですが、人を見つけたら攻撃してくる訳ではありません。

攻撃してくるパターンとしては

●先に蜂に攻撃した

●巣に近づいた

場合がほとんどです。

巣は、蜂の子どもを育てるため、種にとって大事な役割を果たします。それ故、そこに近づいたり、揺らしたり、刺激を与えたりすると、蜂は警戒し、命がけで攻撃してきます。

蜂の巣は速やかに駆除し、繰り返し巣ができないような対策をとりましょう。

<放置すると大きくなるミツバチの巣>

ミツバチの巣は平らなのが特徴です。何年も同じ巣を使い、年中活動しています。巣は放置すると大きくなり、最大で1mにもなります。

毒性が弱くても、1つの集団は数千匹から数万匹です。見つけたら早めの駆除がおすすめです。

<小さくて見つけづらいアシナガバチの巣>

アシナガバチは、お椀を逆さにしたような、蓮の実のような形が特徴の巣をつくります。色は灰色で、最大でも15センチほどと手のひらサイズまでですが、一つの巣に約50匹程度の群れを成します。

また、アシナガバチの幼虫を狙ってスズメバチが巣を襲いに来る可能性も出てきます。

小さく、目立ちにくい頑丈な巣を作る上に、駆除しても同じところに巣をつくろうとすることもあります。巣をつくられないようにする対策も併せて行っていきたいですね。

<1つの巣に1,000匹程いるスズメバチの巣> 

初期はとっくり型、最終的にはバレーボールのような形で最大で60センチほどになるスズメバチの巣は一度の利用で終了です。が、夏から秋にかけて巣の付近では、女王バチを守るために働きバチが非常に攻撃的な状態となっています。

1つの巣には1,000匹近くもスズメバチがいます。同じエリアでスズメバチを何度も見るときは、巣をつくらないよう予防をすること、巣を見つけたら早めに駆除することが望ましいです。

蜂の駆除は自分でするか業者に頼むかの判断基準

蜂が出た時は、実際に近くに生息している場合と、たまたま数匹だけ迷い込んできてしまった場合によって異なります。

数匹なら自分で対応

一匹~数匹の蜂が部屋に入ってきた場合は、できるだけ刺激せず、逃がすようにしましょう。

蜂の特性を利用して逃がしたり、市販の殺虫剤を利用したりすることで対処できるはずです。(以下詳しくご紹介します)

巣をつくっていたり巣があれば業者へ

一定期間で何度も数匹蜂を見るようになった、集団で襲われそうになったなど恐怖を感じた場合は要注意なので業者に相談してみてください。

巣がなくても、アシナガバチなどは巣が壊されたりなくなると、人家や屋根裏に集団でいつく性質があります。温厚な性格ではありますが、なんせ刺されると痛いので巣がなくてもいつもいるようなら業者に相談してみましょう。

また、以下で業者に頼まず自分でできる対処法をまとめました。

【自分で蜂駆除】部屋に蜂が出た時の対処法

ここでは、業者に頼まずにできる蜂の巣をつくらせない予防や、蜂の退治方法の一部をご紹介します。

ペットボトルを使う 

ペットボトルトラップを作って、巣作りを始める前の女王蜂を駆除してしまう方法があります。

用意するものは、2Lペットボトルの空容器と穴を開けるためのカッター、つるす用の紐、酢(10ml)、砂糖(100g)、酒(200ml)です。

ペットボトル容器の上部に4箇所、カッターで2センチ角の穴を開けます。Hの形で切り込みを入れ、上部は外側に折って雨よけにし、下部は内側に織り込むと返しの役割を果たしてくれます。

穴をあけたペットボトルに、酢・砂糖・塩の混ぜ合わせた誘引剤を入れ、蜂の活動する2メートル前後の高さに設置します。木陰などが日陰になるところに1週間ほど置いて様子をみましょう。

ペットボトルトラップの注意点

巣作り前の女王蜂を狙うのが目的なので、4~6月に設置しましょう。6月以降は、誘引剤に働きバチが集まって危険が増えることになります。また、巣の近くもたくさん蜂が寄ってくるので回収も危険です。

巣を作る前の女王バチの駆除が目的なので、巣の近くには設置しないようにしましょう。誘引剤の効果は2週間程です。様子を見ながら入れ替えてください。

最後に、トラップにかかった死骸は素手で触らない様にしましょう。死んだあとも蜂の毒針がささり、危険です。

スプレーを使う

部屋に数匹だけ蜂が出た場合などは市販の殺虫スプレーで対処しましょう。

ピレスロイド系の殺虫成分が含まれていれば、ミツバチ・アシナガバチ・スズメバチには高い殺傷能力を発揮します。

アースジェットやキンチョールなど、ゴキブリ用の殺虫剤でも、ピレスロイド系の成分が含まれていれば対応可能です。

自分でできる蜂駆除と蜂駆除のプロが伝授する注意点

ここでは、自宅に出た数匹程度の蜂を自分でやっつけたい際に、最低限抑えておいて欲しいポイントを蜂駆除のプロがお伝えします。(蜂の巣の場合の対処とは異なります)

ただ、スズメバチは毒性も強く危険なので個人での駆除はあまりおすすめできません。

●防護服やそれに準ずる対策で自分を守ろう

防護服があればそれが一番ですが、一般家庭にはなかなかありません。

まず、刺されないよう皮膚の露出を避けて長袖長ズボンを着用してください。できれば雨合羽や革手袋か軍手をしてガムテープで手首も出さないようにするなど装備が必要です。足元はぶ厚い長靴があれば履くようにしてください。

●蜂の活動時間を避けた夜間に駆除しよう

活発な活動時間に蜂を駆除するのは危険です。仲間を呼び寄せ、集団で攻撃される可能性があります。装備しても、完璧な防護服でない限り、手薄な所を刺されて痛い目を見る可能性があります。

自力で駆除するには、蜂が休息する日没後3時間たってからがおすすめです。とはいえ、巣には見張り番をしている蜂がいます。日中に比べて危険度は少し下がりますが、絶対に襲われないわけではないので、緊張感をもって挑んでください。

●赤い色の懐中電灯を使いましょう

夜間の蜂が寝静まった時に駆除するには、蜂が識別しにくい赤色の光で行うのがおすすめです。赤いフィルムを貼るか、赤色灯を用意することをおすすめします。

●死んだ蜂も素手で触らないようにしよう

ベランダや軒先にいる巣をつくる前の数匹の蜂なら、うまくいけば殺虫できるかもしれません。殺虫剤を使えば、数秒で死に至ります。

しかし、そのあとも気を抜いてはいけません。毒針は蜂が死んだ後も人に刺さるのでアナフィラキシーが起こる可能性もあります。

素手で触らないよう、ビニール袋や紙袋で密閉し、速やかに処理しましょう。

巣の蜂駆除はとても危険!専門業者に頼む基準

蜂の駆除や蜂の巣駆除はお金もかかることから、自分で行う方もいます。

数匹程度の駆除ならスプレーなどで対処できるかもしれませんが、巣ができている場合は集団で襲われることもあるので、万全の体制で行わなければなりません。

防護服を購入するのにもお金がかかりますし、高いころに有る場合は棒の用意も必要です。屋根裏や狭いところに巣ができた場合、巣を刺激して数100匹の蜂に襲われても逃げ場がないので非常に危険です。

なので、基本的には巣の駆除は開けた場所にできており、大きさが15センチ未満のときまでにしておきましょう。

巣があると自分や家族が刺される可能性がある

蜂に刺されて死亡する確率が高いのは、自分で対処しようとして刺されてしまう50代以上の男性です。

また、蜂を刺激することで家中を蜂が集団で飛び回ると家族も危険にさらされます。自分は大丈夫でも、家族の誰かにアナフィラキシーやアナフィラキシーショックがでる可能性があります。

特に、駆除に適した夜間は家族が家にいることも多いでしょう。慎重な判断が必要です。

巣がどんどん大きくなり危険

蜂を数匹駆除してもまたで来る場合、巣を作っている可能性が考えられます。特にアシナガバチなどは、巣の大きさも小さく、なかなか見つからないこともあります。巣を探してほしいなどの依頼は無料で対応してくれる業者もあります。

たとえば、スズメバチの巣は大きくなってからだと、費用も、日常の危険度も増していくばかりです。ミツバチは、同じ巣を使うので、その場所にずっとい続けることになります。アシナガバチは巣を撤去しても家に居つく可能性があるので、アフターケアをしたほうが安心です。

蜂で悩み続けないためにも、早めに相談してみてください。

蜂は注意しながら自分でも可能・巣は業者に頼もう

蜂の種類や時期によって危険度の変わる蜂・蜂の巣駆除。数匹程度ならスプレーなどで完全防護の上、対処できそうですが、正直、巣ができているととても危険です。

駆除しようとして刺された、子どもが巣をつついて大事になったなど、ご相談いただくこともあります。

行政を通して依頼すると、安くなる可能性もありますが、手配に時間がかかったり、駆除後の処置が甘く、また巣ができてしまったり、二度手間になったとのご相談も少なくありません。

また、新潟市では補助金はでませんし、業者の手配も行政では行っていません。

たかが蜂ですが、命の危険性もあり、家族を危ない目に合せないためにも、不安であれば地域密着の専門業者に相談してみてください。

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