アシナガバチの巣を自分で駆除する方法
アシナガバチが家の周りを飛んでいたり、巣を作っていったり、お困りではありませんか?
放っておくと刺されるかもしれませんし、早めに駆除をしたいですよね?
アシナガバチを駆除する前に確認すること
アシナガバチの幼虫
巣を作り始める4~5月は巣にいる蜂の数が少なく、比較的簡単に駆除できます。
アシナガバチの幼虫は芋虫を食べていますが、芋虫の体液だけでなく、幼虫は成虫が作った芋虫の肉団子を小さくして食べています。
自力で駆除できそうか
最初に、巣の状態を観察して、自力での駆除が可能かどうかを判断しましょう。
普段は攻撃性の低いアシナガバチでも、巣を攻撃されると一斉に襲ってきます。
駆除に失敗して刺されてしまうケースもよくあるので、ケガを未然に防ぐためにも、駆除の前はしっかり状況を調べておきましょう。
本当にアシナガバチなのか
おとなしいアシナガバチと、どう猛なスズメバチはパッと見た感じでは似ている部分もあり、見慣れない人ではすぐに判断がつかないことがあります。
アシナガバチとスズメバチを区別するときは、外見のほかに、飛び方や巣の形状を確認すると、判断しやすくなります。
種類 | アシナガバチ | スズメバチ |
外見 | 細身のすらりとした体 ~26mm後ろ足が長く、腹部が黄色っぽい | 腹部が大きく太く、オレンジ系の色 ~40mm |
飛び方 | 足をだ垂らして、ゆっくり飛ぶ | 直線的に素早く飛ぶ |
巣の特徴 | お椀の逆さにしたような形。15㎝くらいの大きさで、灰色~灰褐色巣穴がむき出しになっている 軒下、外壁、エアコンの室外機、ベランダ等場所を選ばず巣を作る | 円・楕円形やとっくりのような形。40㎝~80㎝くらいの大きさで、薄茶色のマーブル模様巣への入り口はひとつだけ |
巣の場所を確認
1階の軒下や庭木など、開けた場所に作られた巣であれば、駆除作業のリスクは比較的少ないです。しかし、2階以上の屋根の下など、高所に巣がある場合は、駆除の難易度や危険性が増します。殺虫剤をハチにしっかり吹き付ける、巣を落とす、といった作業がやりにくいため、このような場所の巣を自力で駆除するのは少々大変です。
高所にある巣を駆除するときは、長い剪定ばさみや、高所用の噴射器を用意するなどの工夫が必要となります。
巣の状態を確認
巣によっては、駆除が難しく危険な状態の場合もあります。自力で駆除できる巣は、作りかけの巣まで考えたほうがいいでしょう。
大きさが15㎝以上で、時期でいうと7月~9月ごろのアシナガバチの巣は「最盛期」となります。この時期に、アシナガバチの巣は最大となります。蜂の数も多く、警戒心も高まっているため、自力での駆除は難しいかもしれません。
アシナガバチを駆除するタイミングは、遅くても巣がまだ大きくなりきっていない、作りかけの状態のときのまでにしておきましょう。7月までの巣であれば、自力で駆除できる可能性があります。
駆除に適した時間帯
駆除を行う時間帯は、日没後数時間(2~3時間後)から早朝の間に行うのが理想的です。
働き蜂は、日中は巣の外で餌を探しに行っていますが、夕方になると巣に戻ってきます。
このタイミングで駆除することで、駆除した後に生き残った蜂がたくさん戻ってくるのを抑えられます。
また、夜間の方が蜂の動きが静かなことに加え、暗い中では目が利かず、蜂はうまく飛べません。安全性の点からも、駆除は日没後に行うことをおすすめします。
必要な道具
・防護服
・殺虫スプレー2~3本
・ゴミ袋
・長い棒か剪定ばさみ
・トング(蜂の死骸を拾う)
・懐中電灯(赤いセロハンを貼り付ける)
殺虫剤は「ピレスロイド系」の成分が入っている製品を使うと効果的です。
購入する際はラベルの成分表を確認しておきましょう。
ピレスロイド系であれば、蚊やゴキブリ用の殺虫剤でも問題なく使用できますが、蜂専用の殺虫剤は噴射力が強く、より遠くまで届くようになっています。
夜に駆除を行う際は懐中電灯が必要となりますが、蜂は光の方向に移動する習性があるため、そのまま使うと危険です。赤いセロハンを貼り付けて光の色を赤くすると、蜂が反応しにくくなるので、忘れずに対策しておきましょう。
防護服がない場合
安全性からいうと、防護服を着るのが一番です。しかし、用意するのが難しい場合もあるかと思います。防護服以外の服で代用するときは、肌を露出しない服装を用意しましょう。
・体⇒長袖、長ズボンの厚手の服(作業着がおすすめ)
さらに、上から白いレインコートを着る。
・頭部⇒厚手の帽子やフルフェイスのヘルメットを着用。帽子の場合は上からレインコート のフードをかぶって、マスクとゴーグルをつける。
また、襟元から蜂が入らないように、首にタオルを巻く。
・手⇒軍手や皮手袋
厚みが足りないときは2枚以上重ねる。
・足⇒長靴
蜂は下から上に向かって刺す習性があるので、ズボンの裾を長靴の中に入れ、ひもで縛っておく。
アシナガバチの毒針の長さは、およそ5mmです。靴や手袋も含め、5mm以上の厚さになるような服装にしましょう。また、蜂は黒や原色に向かって攻撃する習性があるので、着る服はすべて白色のものを選びましょう。
駆除方法ステップ4
①巣に向かって殺虫剤を噴射する
殺虫剤が巣に届くよう、風上から静かに1~2m程巣へ近寄ります。
巣に向けて、スプレーを20~30秒噴射してください。
殺虫剤が蜂にかかると、一斉に巣から蜂が飛び立ちます。
蜂は威嚇している訳ではなく、殺虫成分に反応しているだけです。
しっかりと防護服を着用していれば、必要以上に心配しなくても大丈夫です。
恐れずに噴射し続けましょう。噴射が終わったら、蜂が動かなくなるまでそのまま待っていてください。アシナガバチは、数秒でも殺虫成分が体に付着すると、攻撃性がなくなって死亡します。
②巣を駆除
蜂が巣から落ちていなくなったことを確認し、剪定ばさみで巣を根元から切り落とします。
剪定ばさみがなかった場合は、棒でつついて落としてもかまいません。
落とす際は、下に袋を敷いておくと、そのまま簡単に捨てられます。忘れずに袋を用意しておきましょう。
③巣があった場所にスプレーをかける
巣を除去したら終了ではありません。
6~8月中の駆除は、巣にいなかった蜂が元の場所に巣を作る可能性があります。
二度と同じ場所に巣を作らせないためにも、駆除した後に10秒程スプレーをし、蜂を寄せ付けないようにしておきましょう。
自力駆除でよくあるのが「せっかく駆除したのに、しばらくすると蜂が戻ってくる・・・」
というケース。このような蜂は「戻りバチ」とよばれます。アシナガバチは巣への執着心が強く、巣があった場所に戻ってくる蜂は攻撃的になっているケースも多いです。
だからこそ、巣を駆除した後はしっかりとスプレーを散布しておいてください。
あまりにも戻りバチの数が多い場合は、専門家に対処してもらいましょう。
④巣をゴミ袋に入れて処分する
蜂の巣は、燃えるゴミとして処分してください。
ゴミの日までの間不安な方は、袋を二重にしておくといいいでしょう。
また、このとき退治した蜂も一緒に袋にまとめてしまいましょう。毒が残っている可能性があるので、決して素手では触らず、ホウキとちりとりを使ってください。
アシナガバチがまだ1匹だったらチャンス
アシナガバチの場合、春先は女王蜂が一匹で巣を作ります。
この時の女王蜂は攻撃性がほとんどありません。夏から秋にかけて蜂が増え、巣が大型化する前に駆除をすればこれ以上の拡大を防ぐことができます。
駆除をするときの注意点
高いところにある巣には高所用の噴射器を使う
蜂用の殺虫剤は、屋外で使うことを想定し、遠くまで噴射できるものが多くなっています。
しかし、スプレーの性質上、遠くに行くほど殺虫剤が拡散してしまうため、あまり遠すぎると思ったような効果が出ないことがあります。また、風向きなどの影響でうまく届かないこともあるため、巣が高いところにある場合は、高所用の噴射器を使用しましょう。
脚立を使用しての駆除は危険
「高いところの巣なら脚立を使えば届く」と思うかもしれませんが、脚立にのぼって巣を駆除することは非常に危険です。
殺虫スプレーに怒ったアシナガバチが向かってきたことに驚いた拍子に、脚立から落下してけがをしてしまう可能性があります。
自力駆除が難しいと感じたら
危険、難しいと感じたら業者に相談
アシナガバチがたくさん集まっている・・・
自分で駆除できるみたいだけど、怖くてできない・・・
そんな時は蜂駆除の専門業者に駆除をお任せするのも一つの手段です。
検討してみましょう。
ハチの巣駆除を業者に依頼するメリット
アシナガバチはスズメバチより攻撃性は劣るものの、刺されてしまえば毒性の強さは負けません。刺される原因のナンバーワンは自力で駆除したことによる失敗です。
蜂駆除のプロの頼めば、自分や家族への被害を心配せずに、不安を解消できます。
特にお子さんのいるご家庭や妊娠されている方など、ご自身での駆除はとても危険です。
専門業者への依頼をおススメします。
業者の依頼した時の費用相場
ミツバチ 4000~30000円
アシナガバチ 4000~30000円
スズメバチ 9000~50000円
料金によって開きがあるのは、蜂の巣の大きさによって値段が上下するためです。
たとえば、巣のサイズが最大になる10月のスズメバチの巣には、およそ1000匹もの蜂が潜んでいると言われます。
作りはじめの巣と比べると、駆除の危険度・難易度が上がります。
蜂の巣の駆除はできるだけ早めに依頼するのがいいいでしょう。
巣が小さい状況なら、料金も安く、ご自身およびご近所の方々への被害も最小限に抑えることができます。
場合によっては、自力駆除の準備物を用意するよりも安く済むケースもあります。
アシナガバチの駆除を自力でやる方法まとめ
蜂の巣を発見したら、次の手順で駆除を進めましょう。
1.自力駆除ができるかどうか判断する
2.駆除に適した時間を確認し、準備物を揃える
3.正しい手順を確認し、駆除を始める
アシナガバチは比較的おとなしく、巣の規模も小さいため、自力駆除は難しくありません。
しかし、自分で駆除するのが難しいと感じた場合は、無理をせず専門業者へ駆除を依頼するのがおススメです。