シロアリが発生する原因と被害【徹底解説】

シロアリ

シロアリが住宅に発生する原因はシロアリの餌となる木材や紙類が豊富にあることです。

湿気がこもった柱や床板などに多くの木材が使われている住宅は、シロアリの食物の宝庫になります。そこでシロアリが好む環境を作らないことが重要です。シロアリ被害の事態を悪化させる前に発生原因を探り、発生させないための対策を考えてみましょう。

シロアリの発生原因と被害

シロアリの種類

世界中で2千数種類もの生息が確認されているシロアリですが、日本家屋に影響を与えているのは、ヤマトシロアリとイエシロアリです。

シロアリの生態と被害

ヤマトシロアリは北海道の北部を除くほぼ日本全国に分布しており、主に関東で多く見られます。寒さに強いため4月ごろから10月ごろにかけて活発に活動しています。

湿った木材を好むため、床下が被害を受けることが多く、さらには湿気の多い建物では天井までも被害が広がっていることもあります。

イエシロアリは寒さに弱いため、主に関東より南に分布しています。

しかし、最近の気候温暖化の影響や高断熱の住宅の増加により、イエシロアリの分布も北上している傾向があるようです。

イエシロアリは水や湿った土を運び込む能力があるため、乾いた建材だけでなくコンクリートの建物までも被害が出ることがあります。

シロアリの発生原因

シロアリは、気温が上昇し暖かくなってくると地中から出てきて活動を開始します。

住居への侵入ルートとしては、地面に面している床下から侵入するケースが多いようです。なぜなら、床下は湿気もあり、適度に暖かく、シロアリの大好きな建材があるからです。

シロアリが好む環境と条件と被害

シロアリに限らず、ゴキブリやハエ、ムカデといった害虫はエサが豊富な場所に集まります。シロアリの好物は水分を多く含んだ柔らかく、かじりやすい木材です。特に腐朽菌(ふきゅうきん)と言われる菌が繁殖し、腐った木材は大好物。

その他、木材を原料としている紙や、湿気で柔らかくなった畳など、わたしたちの生活圏に存在し住宅や家具の素材、身近で必要としているものばかりです。

屋内のシロアリ発生エリア

玄関

多くの場合、コンクリートやタイルで覆われているためシロアリ被害を食い止められると思いがちですが、実はドアを囲む枠木と呼ばれる部分はコンクリートに挟まれているだけで土に面している構造のものが多く、シロアリの餌食になりやすいと言われています。

自宅の玄関周りを確認してみましょう。意外にも玄関は木材を使用している部分が多いです。住宅内のシロアリ被害事例として多数確認もされています。

畳は古くから湿気を吸い部屋の湿度や温度を調整する役割がありますが、水分を吸って柔らかくなったい草は、シロアリにとって餌となります。

また、畳にシロアリが到着するということは、すでに畳下の板、床下の木材は大きく加害されている可能性が高いです。畳がシロアリに加害されているのを確認したら、住宅内の徹底したシロアリ調査が必要でしょう。

家具

木材家具もシロアリ被害に遭いやすいです。畳同様、家具に被害が及んでいればフローリング、床下は大規模な被害が広がっている可能性も高く、建物が危険にさらされているかもしれません。シロアリ被害を見つけ次第、シロアリ調査を行いましょう。

また外来種であるアメリカカンザイシロアリは輸入家具に付着している場合も多いため、床下だけではなく家具が発生原因になることも十分に考えられます。

水回り

意外かもしれませんが、風呂場・洗面所もシロアリ被害の事例が多い場所です。風呂場は経年劣化したタイルの隙間や亀裂から侵入しているケースが多く見られます。

風呂場の洗い場はタイルやコンクリートがありますが、下は土壌であることが多くシロアリにとっては意外と侵入が簡単な場所。建物の取り壊しを行うと水場にシロアリ被害が見られたというのは珍しいことではないようです。

屋外のシロアリ発生エリア

ベランダ、庭

ベランダは雨漏りから二次被害でシロアリが発生した事例が多いです。2階やマンションであっても水はけが悪い、素材に木材が使われているところは特に要注意。また、ベランダや庭で木枠のある花壇を使って、そこからシロアリが発生したケースも。

通販などで届いた段ボールなどを溜めこみ、ベランダや庭に放置し、そこにシロアリが集まっていたという声も聞かれます。

ウッドデッキ

近年人気のウッドデッキは、雨ざらしになることが多く、こまめにメンテナンスを行わないとそれ自体がまるごとエサとなり、シロアリを呼び寄せて発生の原因となってしまうことがあります。設置するメーカーや業者によっては設置時に対害虫用の薬品を塗料してくれるようですが、雨ざらしになるため薬品の効果が持続しないところが厄介です。

被害を防ぐための対策

シロアリの被害を防ぐための対策として、シロアリが侵入できないよう経路を断つことと、シロアリが家に近づけないように予防措置を施すことが必要です。

侵入経路を断つためにできること

まずはお住いの点検をして、基礎や土台にひび割れがないか、結露している場所がないか、建材が傷んでないか確認しましょう。

ひび割れた部分からシロアリが侵入できないように事前に修繕することが必要です。早めに修繕をしておくことで、シロアリの被害を防ぐだけでなく、長く快適に暮らせることができます。

家に近づかせないための予防措置

シロアリを家に近づけないようにするために、土壌処理と木部処理の2種類があります。

まず、土壌処理とは、床下の土に防蟻剤を散布する方法です。シロアリは地中から侵入するので、その通り道に薬剤を散布することで侵入を防ぐことができます。

次に木部処理とは、住居の建材に直接薬剤を吹きつける方法です。この処理を並行して行うことで確実にシロアリを予防することができますが、その効果は5年ほどとされていますので、定期的に予防処理を行いましょう。

これらの処理はプロにお願いすることが必要です。

もし、すでにシロアリがいる、あるいはシロアリがいるような形跡がある場合には、シロアリ駆除のプロにお願いすることをおすすめします。

まとめ

普段は人目につかないところで活動しているシロアリは、他の害虫と違い身近に感じられないかもしれませんが、被害は甚大で私たちの生活に大きく影響します。大切な財産のため、家族やご自身のためにも予防に努め、しっかりと住宅のメンテナンスを行いましょう。気配がみられたらすぐに対策を行ってください。早期発見、早期対策が被害を広げないための大きなポイントです。少しでも不安を感じたらシロアリのプロにお願いしましょう。

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