シロアリの巣の発見方法を教えちゃいます!
住宅の構造に大きな被害を与えるシロアリ。手遅れの状況ではじめて気づくということのないように、そしてできれば致命的な被害を与える前に、早めに駆除をしておきたいですよね。
そこでシロアリの巣の特徴や見つけ方、初期症状などを教えます。
シロアリの巣の見つけ方
①蟻道があるかどうかチェック
シロアリの巣を見つけるポイントは蟻道です。つまり蟻道が見つかれば、延長線上に巣がある可能性が高いでしょう。
②湿気のたまりやすい場所をチェック
浴室などの水回りの下は水漏れで湿気がたまっていたり、換気がうまくいかない可能性も高く、シロアリが定着していることがあります。そのため床下点検ではシロアリの巣がないか、その部分を支える木材が腐りかけていないかなどをしっかり見るようにしましょう。また、雨漏りしている場合など、2階より上でもシロアリ発生の可能性は否定できません。天井裏もしっかり確認しましょう。
③壁の内側をチェック
壁の内側は確かめにくい部分ですが、シロアリ発生の可能性も高い部分です。
冷暖房などで室内と屋外の温暖差が大きくなった場合、壁の内側で結露するおそれが出てきます。また屋根から雨漏りしていた場合、床下まで壁の内側を通って雨水が侵入していることもあります。
とくに壁が濡れているようなときは空洞音がしないか、壁がふわふわしていないかを確かめてみてください。
シロアリの生態
●日本では主に2種類のシロアリが生息
ヤマトシロアリは乾燥と光に弱く、湿気がある暗いところを好むので床下、床面付近、雨漏りのする天井裏や柱、浴室など水分のあるところに巣を作ります。
また、特に場所を決めないので食害の場所がそのまま住み家(巣)となります。
おもに湿った木や段ボールに住み着き、加害しますが、木そのものが乾いていても土が湿っていたりするとシロアリが生息している可能性もあり、湿った土の上にある木の皮を剥いたり、置きっぱなしの段ボールの表面を剥いてみると、シロアリを発見することもあるでしょう。
イエシロアリは水を運ぶ能力があるので、どこにでも巣を作ることができます。ヤマトシロアリと同じく光に弱いですが、湿気のない乾燥した場所でも生息は可能です。地中に大きな巣を作り、王と女王のいる場所を中心として分巣をし、そこから動かず定住するので、クロアリの巣と似ています。活動範囲が広く地下道から家屋全体へ広がっていき、食欲も旺盛です。
●シロアリの幼虫
・シロアリは不完全変態
シロアリはカタチを変えずに成長する昆虫です。不完全変態の昆虫は卵から孵化すると、卵→幼虫→職蟻・兵蟻などという段階を経て成長します。このとき不完全という名前のとおり孵化したての幼虫もシロアリの職蟻と同じカタチをしているのです。
・幼虫と成虫の違いは大きさ
小さな幼虫が成長して成虫となるので、違いを簡単に言うと大きさとなります。
シロアリの幼虫だと思っているのは、その通り幼虫かもしれませんし、職蟻や兵蟻かもしれません。そもそも5㎜程度の非常に小さい昆虫のため、シロアリの成虫を幼虫だと勘違いしてしまう場合もあります。
・シロアリ自体が幼虫っぽい体つき
シロアリの幼虫がいた!と思ってしまうのは、シロアリそのものが「白くて、小さく、寸胴な体つき」という幼虫のような特徴(見た目)を持っているからでしょう。普段シロアリを見かけることなどないと思うので、「白くて小さな虫=シロアリの幼虫」と思われるかもしれません。
・幼虫だと思っていたものは成虫かも?!
実際にはシロアリの初齢幼虫は非常に小さく肉眼でギリギリ追えるくらい小さなサイズです。それに、シロアリの幼虫が見られるのは巣の中心付近が多いので、
頻繁に見つけることはありません。ですから、シロアリの幼虫かもと思っていたのはシロアリの職蟻や兵蟻である可能性のほうが高いのです。
大きくなっても白くて小さな体をしているシロアリですが、それで立派な成虫です。成虫、幼虫の違いは大きさにありますが、シロアリっぽい虫を家の中で見つけたのであれば、大きさに関係なく専門の業者に一度調査をしてもらい、何らかの対策をしたほうがいいでしょう。
●蟻道は移動するためのトンネル
シロアリが作る蟻道は「土を盛って」作られます。 蟻道は乾燥を防ぐため、シロアリが自分の分泌物で作り上げた巣との連絡通路です。
そのため、地面以外にも家の基礎のコンクリートの上に蟻道は作られることがあります。蟻道を見つけるときは、家の床下にある基礎部分や庭を見回って「土が不自然に盛り上がっている」場所を探すと見つけられるでしょう。
見た目だけでは判断がつかないときは、その蟻道らしきものを少しだけ崩してみましょう。(全部崩さないように注意!)もしも土の中からシロアリがでてきたら蟻道ということになります。シロアリが出てこなかった場合は蟻道ではなかった、もしくは既に使われなくなった蟻道で、拠点を別の場所に移した可能もあります。
●シロアリの蟻道の長さ
シロアリの蟻道らしきものを見つけたけれど、近くに巣が見つからないことがあります。シロアリの蟻道は餌や水などを運ぶために巣から伸びているのですが、目的の餌や水などが見つかるまで伸びるので10mくらいの長さまで伸びることもあります。
また、本巣と呼ばれる巣の大元以外にも拠点となる分巣とよばれる巣を作ることがあります。そのため、蟻道が長ければ長いほど被害範囲が大きいことが予測できます。
●シロアリの蟻塚(巣)の深さ
種類や巣を作ってからの期間、コロニーにいるシロアリの数などによって異なりますが、巣の深さは1mがスタートラインになります。
もちろん、スタートラインなので、シロアリの数が多い・本巣以外に分巣がある・分巣から更に巣が伸びているといった状況によって、2m、3mとどんどん巣が大きくなります。巣が大きければ大きいほど、駆除にかかる期間や費用が多くなるので早めの駆除をおすすめします。
シロアリ被害の初期症状
①柱に蟻土(ぎど)を見つけた
シロアリは暗所を好みます。シロアリは侵食している柱や基礎から光や風の侵入を防ぐために、隙間に土を詰める習性があります。それを蟻土とよびます。室内に覚えのない土が詰まった場所があったら、そこにはシロアリが住んでいるかもしれません。羽アリを発見した時も、シロアリの侵入のおそれがあります。
②畳がフワフワ
畳の上を歩いたときにフワフワと感じることがあります。畳床とよばれる畳の芯部分には藁が使用されており、シロアリに食べられてしまうことがあるのです。表から見ると変化は見られませんが、食害によって強度が低下してしまいます。畳がフワフワと柔らかく感じたら注意が必要です。
③床がギシギシ
シロアリは、柱や床材の真ん中の柔らかい部分だけを食べることから木材に空洞ができ、脆くなるためギシギシと音が鳴りやすくなるのです。また、床がプカプカと柔らかい感触があったときにもシロアリの被害の危険性があります。床が抜けてからでは大掛かりな修理が必要となるので、早めの対処をしましょう。
④窓枠にかじられた跡
窓枠など、木材が出ている場所にかじられた跡があった場合には、シロアリの仕業かもしれません。シロアリは木材の柔らかい部分ばかり食べるため、スジのような部分ばかり残っている場合には、シロアリを疑いましょう。
シロアリを放置した場合
・被害を受けやすい条件
被害を受けやすい条件は、換気口が少なく通気性の悪い床下や、周辺に川や池があり、湿っぽい場所です。シロアリは湿気が大好物であるため、ジメっとした環境を好みます。これらの条件が一致していなくても、部屋や押し入れを換気していないと湿っぽくなり、このような環境でもシロアリは十分発生します。
・シロアリはコンクリートもかじる
シロアリといえば木材を食べるイメージが、コンクリートもシロアリの被害を受けてしまいます。シロアリはコンクリートをかじって侵入し、住処としてしまいます。特に水場の近くのコンクリート中なら湿度が保たれ、保湿性も高いことからシロアリが住むのに最適な環境となります。
・新築でも家がボロボロになる
基本的に新築の家はシロアリ対策のために木材に薬剤などが使われており、建ててから数年はシロアリ保証があることがほとんどです。しかし、保証されているからといってシロアリが全く出てこないというわけではありません。
シロアリが発生してしまうと、家の木材が大量に食べられ、柱や基礎がボロボロになってしまいます。そうなると家の強度が落ちてしまい、雨漏りや最悪の場合には倒壊の原因となってしまいます。
・被害が広がる前に駆除
シロアリ被害を放置しておくとひどくなる一方です。シロアリの数も増えていき、やがて家中をシロアリに侵食されてしまうこともあるかもしれません。被害が大きくなる前に、シロアリの被害かな?と思ったときに、業者に駆除を依頼することをおすすめします。対処が早ければ早いほど、被害も少なく済みます。
あなたの家は大丈夫?!シロアリ対策方法
●自力でできる解決策
①薬剤を使用した駆除方法
木材やコンクリートなどに散布してシロアリが寄り付くのを防ぐものと、シロアリに直接かけて駆除するものがあります。予防の際は広範囲に散布しなければならず、また直接かけるにはシロアリの居場所を知っておく必要があります。
最近のものは低臭性のものがほとんどですが個人差でニオイを感じる方もいるでしょう。
②毒エサを用いる方法
毒エサを設置して食べさせることによって駆除する方法です。ニオイもなく、安全性も高いですが、薬剤による駆除費用に比べて費用がかかります。
設置場所をシロアリの通り道にしなければならないのでシロアリの知識が必要となります。
●自力で駆除するのは難しい…プロにお願いする!
シロアリは数が多く、駆除に時間がかかることや、そもそも駆除ができているのかがわからないため、自力でシロアリを絶滅させるのは大変難しいです。もし中途半端にしか駆除できなかったら、次の女王蟻が再び生まれてしまうことがあります。
しっかり巣を駆除して絶滅させるためには、シロアリ駆除のプロに任せるのがおススメです。駆除のプロに任せれば、専門的な知識を用いて、シロアリ駆除と対策をとることができます。シロアリ駆除は徹底した防除を行うことで効果を発揮するものです。そして定期点検を行うことで、シロアリの繁殖を防ぐことができます。
まとめ
巣の侵入経路を確認しに行く際は、動きやすくて汚れてもいい服装で行いましょう。
また、シロアリを刺激すると噛まれたり攻撃されるおそれがあるので、無理のない程度にし、駆除が難しい場合は、すぐに業者に依頼し、確認してもらうことをおすすめします。見つけた蟻道をそのままにしておくと業者はシロアリの巣の特定がしやすくなります。